肩こりと姿勢の関係
肩こりの原因は、ひと言で言うと「姿勢の悪さ」です。
では、反対に「よい姿勢」とはどのような姿勢なのでしょうか?
1つの目安としては、立っている姿を横から見た時、耳たぶ・肩先・太ももの付け根の出っぱった骨(大転子)・膝の真横・くるぶしの5点が一直線になっている状態を言います。
自分では分かりにくいかと思いますので、簡単にチェックする方法があります。
壁に背中を向け、かかとをつけて立ってみて下さい。
この時、頭の後ろ・背中・お尻が壁につき、腰と壁との隙間に片方の手のひらがぎりぎり入るくらいで自然に立っていることができれば、あなたの姿勢は「よい姿勢」と言えます。
加えて、左右への体重の偏りがないことも重要です。
「かなりあごを引かないと、頭の後ろが壁にはつかない」という人で、「肩はこったことがない」「首や肩の筋肉はいつも軟らかい」という人はほとんどいません。
よい姿勢とは
ここでの「よい姿勢」とは、人類の進化と大きく関係があります。
ヒトは二足でまっすぐ立ち、歩く(活動する)ために進化することによって、手を自由に使うことができるようになり、頭(脳)も発達しました。
皆さんもご存知の通り、動物の中でも「直立二足歩行」ができるのは私たちだけで、この直立状態であることが「よい姿勢」なのです。
直立二足歩行の代償
「直立二足歩行」に進化したことで、人類の体には複数の代償が伴いました。
- 発達した重たい頭 → 細くなった首でバランス良く支えなくてはならない
- 歩行で使わなくなった腕 → 受けの浅い関節にぶら下がってつくように
- 腕の相方である肩甲骨 → 筋肉だけで身体についている状態
ヒトが直立二足歩行に進化したのは、動き回り道具を用いた狩猟生活を可能にするためです。
しかし、現代では利便性や快適さを求めるようになり、うつむいたり前かがみになったりする姿勢を長時間続けることが多くなりました。
いつでもどこでもスマホを見ている人は多いですよね。
他にも長時間机に座ってのパソコン作業や勉強、車の運転、料理や掃除といった家事、寒さやストレスでも体は丸まり、肩に力が入る要因となります。
しかし、この状態に対応できるように人類の体は進化しておらず、現代人の体にはどんなことが起きているのでしょうか?
肩こりが起こるメカニズム
肩より頭が2cm前方に出るだけで、直立姿勢の場合より2倍の負荷が首にかかると言われており、この重さを細い首やその付け根の肩で支えなくてはなりません。
首や肩の筋肉は伸ばされながら縮もうとする緊張状態となるため、硬くなって血流が不足し、疲労物質がたまっていくのです。
また、うつむいたり前かがみになったりする姿勢を長くとっていると、頭や首が前方方向へ位置するだけでなく、背中が曲がって肩もすくんだような姿勢になります。
この状態になると、肩甲骨が両外側に開いて前に引っ張られるため、重い腕を支える周りの筋肉には大きな負荷がかかり、硬くなってしまいます。
これらの結果として現れるのが、首や肩のこり・はり・痛みです。
大きな力を出さなくても、体の進化に逆らった姿勢や緊張を維持しないと保てないような姿勢の持続は、疲労やこり・痛みの原因になりやすいのです。
こうした経緯をたどって現れた首こりや肩こりは「首や肩の筋肉痛」とも言えますが、筋肉をほぐしてよい姿勢を心がければ、不快感を取り除くことも可能です。
肩こりでお悩みの方や気になる方は、一度当店までお気軽にご相談ください。