今回は、肩こりと頭痛の関係についてお話ししたいと思います。
日常的に多くの人が経験しがちな症状の原因と、それを予防するための方法を探ってみましょう。
肩こりによる頭痛
肩こりと頭痛は一見すると、別々の症状のように感じられるかもしれませんが、肩と頭は首でつながって連動しており、実際は密接に関連しています。
人の頭は体重のおよそ10%の重さ(成人だとボーリングの球くらいの重さ)があると言われ、横から見た時に背筋がのびた状態で、その上に頭がのっている状態が正しい姿勢です。
この状態から頭が2.5㎝前に出るごとに、頭から首・肩にかけての筋肉にかかる負荷は4kgずつ増えるという報告もあります。
背中が丸まった前かがみになって下あごを突き出したような格好では、何ℓもの水が入ったバケツを、毎日何時間も首からぶら下げて生活や仕事をしているようなものです。
これだと首や肩の筋肉が緊張し、こるのも当たり前ですよね。
首には頭に血液を送る動脈がはしっているため、歪んでこり固まった筋肉では血管が圧迫されてしまいます。
また、頭が前に出た分、首の血管は引っ張られて狭くなります。
その結果、頭に十分な血液と酸素を送ることができず、たまった疲労物質が神経を刺激するため、これが脳に伝わって痛みを感じ、頭痛を引き起こしてしまうのです。
肩こりと頭痛の原因
肩こりと頭痛の原因は、主に以下のような理由によるものです。
仕事・家事・運動など、筋肉をたくさん使うと肩周りの筋肉が緊張してしまいます。
ストレスがたまっている時に、胸をはって背筋が伸びた人は稀だと思います。いつの間にか肩を落とし背中を丸め、頭も下げてしまっていたり、緊張状態で体を守るように丸め、固まっていたりするのではないでしょうか。
悪い姿勢は、特に肩と首に負担をかけます。例えば、デスクワークやスマホの使用など、前かがみの姿勢を長時間続けると、肩の筋肉が不自然な緊張を強いられます。
デジタル機器の使用が増えたことで、目の疲れが頭痛に繋がったり、目の疲れを感じると自然に肩がこったりします。 「目のレンズの焦点を合わせる毛様体筋が緊張→つながっている顔周辺の筋肉も緊張→つながっている首・肩の筋肉も緊張」と連鎖していきます。
肩こりと頭痛の予防法
肩こりと頭痛を予防するために、日常的に取り組める簡単な方法を紹介します。
- 適切な姿勢を保つ
デスクワークやスマホ使用時は背筋を伸ばし、あごを引き、肩をリラックスさせるよう心がける - 定期的な運動
軽いストレッチやウォーキングなどの運動は筋肉をほぐすのに役立つ - 目のケア
デジタル機器を使用する際には、適度な休憩を入れることで目の負担を軽減 - マッサージや温湿布
肩や首の筋肉をほぐすのに利用すると、肩こりと頭痛の緩和に役立つ。ただし、マッサージのし過ぎは筋肉を硬くしてしまうことがあるので注意が必要
肩こりと頭痛を放っておくと、日常生活にも影響を及ぼすことがあるため、適切な対策を講じることが大切です。
日常生活の改善やストレッチ、リラックス法の取り入れによって、 快適な生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。